では、抜歯しなくても矯正治療ができるケースは、どのようなケースなのでしょう。
まず、もともと歯の本数が少ない人や、歯がなくなってきている人などです。
永久歯がはえ揃った歯は、上14本、下14本、合計28本です(親不知がある場合は、これに4本を加えた32本)。
これより数が少なければ、顎の中に歯が収まる可能性があります。
でも、矯正治療で、デコボコの歯をキレイに並べ、正しいかみ合わせにしようと思ったら、口の中にそのスペースが必要です。
抜かなくても矯正治療ができるかどうかは、歯の大きさと□のスペースとのバランスの問題なのです。
例えば、デコボコの量が少なくて、口の奥にスペースがあれば、歯をうしろに送ることで対応することができます。
または、10代の成長期で、今後顎が伸びる可能性がある時期ならば、抜かずに治せる可能性もあります。
でも、前述したように、日本人の大半のケースでは抜歯が必要です。
欧米人は抜かない矯正治療がしやすい頭の形と顔立ちをしています。
その顔立ちのおかげ(?)で、欧米人は抜歯をせずに歯を並べ、口が多少前に出ても、違和感がないのです。
「私、欧米人並みっていわれることがある!」という自信のある方のために、欧米人はどんな頭の形と顔立ちなのかを紹介しましょう。
長くて奥行きのある長頭形の頭であること。
そのため、上顎と下顎の奥行きも必然的に長くなるため、歯の並ぶスペースに余裕が生まれます。
鼻が高いこと。
鼻が高ければ、多少、歯が前に出ていても気にならないわけです。
さらに、下顎の先端の中央部分の。
オトガイ(「順」という難しい字を書く)という耳慣れない部分が重要で、このオトガイが前に出ていることが大事。
鼻が高く、オトガイが出ていれば、多少、歯が前に出ていても口元が出ているようには見えません。
余談ですが、オトガイは、人類にしかないそうです。
猿にはありません。
「人類と猿の違いは、オトガイの有無にある」ということを研究している学者もいるくらいです。
話はそれましたが、欧米人はこういった条件から、90%近くは抜かない歯科矯正ができます。
絶対抜かないとうたっているクリニックでは、欧米のそうしたやり方をそのまま、日本にもってきている可能性があるのです。
でも、考えてもみてください。
欧米人とは、頭の形も、顔立ちも違う日本人に、同じような治療ができるわけがありません。
歯を抜かない矯正の歴史は古く、欧米では昔から行われてきた方法ですが、今のやり方になったのは、1900年ころから。
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